『Wabi-Sabi わびさびを読み解く』 レナード・コーレン著

米国人の編集者レナード・コーレン氏による、わびさびを通した日本文化論。
以下、本書で心に留まった文を抜粋します。

‶わびさびのシンプルさを言い表すならば、誠実で謙虚で心温かな知性が到達する幽玄の境地とするのがもっともふさわしい。この知性がとる戦略は手立ての削減である。本質を残して削減するが、詩は排除しない。物を清潔に保つがわずらうほどには手間をかけない。(中略)用いる素材が限定されていることを暗に示している。人目を引く特徴を最小限にまで抑えることを意味している。″

また、千利休に例えて以下のようにも綴られている。

‶利休の言葉を借りれば、茶の湯で表現されるわびさびの本質は、シンプルそのものである。水を汲み、薪を集め、お湯を沸かし、お茶を点て、客人に供する。利休によれば、これ以上の細かなことは、各自の創案に委ねればよい″

私は茶道をやらないが、イメージが膨らむというか、考え深いものがある。
森岡督行氏による巻末エッセイ「消えてしまう美しさ」も秀逸である。

「思い出が増えるほど、コストが下がる」 セルフビルドな家づくり」