私事で恐縮ですが、引越しを行いました。
不動産屋さんのご好意もあり、快適な部屋に移ることが出来ました。
女優の麻生久美子さんは引越しが趣味だそうで、「物が減って環境も新鮮になり、生活が軽くなります」と書かれていたのをどこかで読み、恥ずかしながら大いに共感してしまったのです。
この際、今までの生活の澱は思い切って処分しました。
古くなったTV、冷蔵庫、家電製品、雑誌や衣類を徹底的に整理。
カーテンを取り払い、朝日と共に目を覚ましています。
あるのは本とベッドと小さいテーブルと植物…。
物の少ないシンプルな生活を実践しようという具合です。
今回の行動の一端は、私の過去の体験的な部分にも拠っています。
それは学生時代に訪れた、ル・コルビジェ設計のラトゥーレット修道院(フランス)での一泊です。
必要最低限のものしかない清々しさ。コンクリートの荒々しくも研ぎ澄まされた空間。
そこに身を浸した時の、何とも言えない心地よさ。包まれている安心感がありました。
いつか再び、そう、いつか再びあのような空間に身を置きたいと思い続けてきました。
そして引越しを契機に、あのなつかしい感覚がふつふつと蘇ってきたのです。
引越してみて、本を読む時間が増えました。
集中して物を考える時間も増えました。
周囲からは、「大丈夫か?」という温かい励ましも頂きました。
捨てることによって始まることもあると、最近は実感しています。
自身の身の廻りの密度を質高く、濃くしていきたいと考えています。