静岡市清水区の52号線沿いにあるかき氷屋さん、望月竹次郎商店を訪れました。
お店は、以前ガソリンスタンドだったのを、駄菓子屋、飲食スペースにリノベーションされています。
ガソリンスタンドをお店への用途変更は、珍しい事例かもしれません。
山梨方面へ抜ける道沿いという場所柄、バイクのツーリングで立寄る人も多いそうです。
室内は白壁を基調として、テーブルや椅子、カウンターなどは柔らかい木の素材が使われています。床は元あった土間のままとし、コストを抑えつつ実用的な仕上がりです。
ローカウンターや看板、ポップ、飾り、本の表紙が座った目線と合うように陳列された本棚など、手造りでレイアウトされていました。
主構造が鉄骨造の為、入り口付近は大きなガラスを嵌め込むことが出来、開放的な眺めをつくっています。
ガソリンスタンドの大きな屋根は、そのまま外部空間として寛げる場所として利用されていました。
日陰が出来て、風が抜け、屋根が高い為、心地良い。
リノベーションの予算組として、どの範囲まで新しくするかは難しい課題です。
まずはザックリ捨てる、そして全貌が明らかになった上で、どこを残して、どこを再生するか、ゆっくりと検討が必要です。その過程はリノベーションの醍醐味です。
事前に設計していた内容が、現場で即興的に変更するかもしれません。
お施主さんや職人さん達と話し合い、その場で感じた事をアドリブ的に変更した方が、仕上がりが良くなる場合もあります。
そんな時は、原理原則に拘らず、現場の感覚を優先して柔軟に対応した方が良い事も、経験的に知りました。
また、壁の漆喰を塗ったり土間の塗装をしたりと、セルフビルドやDIYとも相性が良いと感じます。コストダウンにも有効と思います。
望月竹次郎商店は、残す部分と新たに手を入れる部分のバランスが絶妙に見えました。
お店自体は長く続けているようで、地元のお茶を取り入れたメニューが人気です。
抹茶のかき氷は、中にあんこが入っていました。
食べ甲斐があり、また行きたいと思える味わいです。
食べている間、地域の子どもたちがワイワイと集まり、にぎやかでした。
その声は、不思議と心地良く感じました。
対応していたのはお店のおばあさんだったり、お兄さんだったり。
新築で綺麗すぎない事が、人々が集まる隙を作り、堅苦しくない雰囲気を醸し出していました。
新旧が混在し、時間が引き継がれるリノベーションの最大の魅力だと思います。
「思い出が増えるほど、コストが下がる」 セルフビルドな家づくり」