芹沢銈介(せりざわ けいすけ)は大正、昭和期の染色家です。
柳宗悦、棟方志功、浜田庄司、河井寛次郎らと共に民藝運動を進めた芸術家でもあります。
作風は明るく朗らかで、動物、植物、人物、風景など身近なモチーフを図柄にしています。

静岡市の登呂遺跡公園内に、建築家・白井晟一設計の芹沢銈介美術館があります。
そのちょっと奥に、芹沢銈介の家が保存されています。
東北にあった板倉を引き取って、東京の太田区へアトリエ住居として移築したそうです。

ここには実家に帰った際に、必ず寄ります。
美術館も素晴らしいですが、この家が目的です。

もともとの家のしつらえは簡潔ですが、芹沢の手によってリノベーションされています。

土間は一部残し、床は松材の朝鮮張りとしています。
間仕切り壁は取り払われ、ワンルームになっています。
天井は梁があらわしですが、ピッチや成はまちまちです。
柳宗悦のアドバイスを受け、南の庭に面して出窓を設け、採光が確保されています。
漆喰壁は白と鶯色に塗り分けられ、調度品が選定され、建具もお手製です。
所々に実験的な試みが施され、新しい息吹きが吹き込まれています。

私はここの静かな机まわりが好きです。

「この家は、農夫のように平凡で、農夫のように健康です」という芹沢のコメントが印象的でした。