昨年の夏、休暇を利用して北欧の建築を見て歩きました。

フィンランドでは、建築家アルヴァ・アアルトの住宅を見学しました。

ユバスキュラのコエタロ(実験住居)、ペレのマイレア邸、ヘルシンキの自邸とアトリエを見ました。

アアルトの建築は初めて見ましたが、特に窓辺の空間に眼がいきました。

北欧は光が薄いせいか、室内へ注がれる光を大切にしています。

リビングやダイニング、書斎などの、外部からの中間領域である窓廻り、ここが非常に心地良い空間になっているのです。

開口部が2m角と大きく、それでいて窓の高さは床から70cm程度と低い構成となっています。

それは北欧独特の湿度の無い気候に寄り添いながら、創り上げられた建築といえるでしょう。

アアルトの建築の外観は、拍子抜けするほどにシンプルです。

ただ、内部に一歩足を踏み入れると、アアルトの世界が始まります。

多分、写真に写りきらない空間とは、こういうものなのだと思います。

独特の素材感やテクスチャーに、心が充足していきます。

アアルトの建築を肌で知り、体感出来たのは、本当に幸せなことだと思います。

今、アアルトの窓辺のような空間をつくりたいと思っています。