数年前、建築家のルイス・カーン設計の住宅、フィッシャー邸を訪れました。
その住宅は、アメリカはペンシルバニア州の住宅地に、道路から距離をおいて佇んでいました。
入り口の玄関はほとんど分からず、奥へ奥へと引き込まれるように配置されています。
平面は正方形の2つのキューブが、45度振って繋ぎ合わされています。
外壁は糸杉を縦張り。
1階と2階との間に水平の水切りをデザイン的にランダムに取り付けています。
大きなFix窓と開閉可能な窓が、木製の扉を介して、外壁面と面一になったり、奥に引き込んだりしながら、開口部が建築の表情を造っています。
とにかく、堂々とした印象を受けました。
カーンのサーヴァンドスペース(奉仕する空間)とサーブドスペース(奉仕される空間)の設計理念が、混然一体としているこの住宅が好きです。
1960年代に建てられたフィッシャー邸は、60年近くを経た今日でもの、その輝きを失わず、訪れる者を魅了し続けています。
「思い出が増えるほど、コストが下がる」 セルフビルドな家づくり